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えっ。もしやわたしは魔物なのか!?

​それは、ほとんどが灼熱により土から生まれた魔物です。

わかりやすく言うと、陶芸細工の泥人形(手乗りサイズ)です。

​These demons are mostly  born of clay by red-hot burning.

In other words, miniature DORONINGYO pottery.

一点ずつ全て手作りです。貴重な生乾きの画像です。

乾いてしまうと加工しにくくなるので、夢中になって一気に造形することが多いです。

NAMAGAWAKI = half-dried

完成しても衝撃には弱いです。儚く砕け散りやすいので扱い(特に落下)には注意が必要です。

対照的に、経年劣化には強いです。むしろ大切にすると雰囲気がよくなる...気がする!?

KOWAREMONO = fragile

陶芸に馴染みのない方のために、簡単に一般的な工程の説明をいたしますと大体こんな感じです。

1.土で出来た粘土で造形する。

 (紙粘土、油粘土、樹脂粘土などはもちろんダメです。焼く温度は土石や金属以外ほぼ燃え尽きてしまうほどの高温なのです。)

 

2.内部まで完全に乾燥するのを待つ。

 (乾燥が不完全だと焼成時に、どんなに気合のこもった会心の造形でも容赦なく、電子レンジで温め直したイカの天ぷらの如く

 「ポッ!!」て爆発します。これをやってしまった時の悲しみは筆舌に尽くし難いです。)

 

3.全体が少し半透明のオレンジ色(800℃以上)になるまで焼成して、一旦ゆっくりと冷ます。

 (焼成すると、水で濡らしてももうあの泥の頃には戻れません。「素焼き」といいます。この状態で完成品とする場合もあります。)

 

4.釉薬(ゆうやく)というガラス成分を塗る、浸す、吹き付ける、などする。

 (1つの工程で「コーティング補強」と「彩り」という2つの目的を同時に果たします。色は一般的な塗料では燃えてなくなる為、

 釉薬に含んだ灰や金属などの化学反応を利用して発色させます。当然、好きな色が思い通りに出せることはないけれども、

 逆に想像以上の美しい結果になったりしてしまうことが、陶芸の主要な魅力となっています。)

 

5.再び800~1500℃(基本的にその釉薬が溶ける温度)で焼成し、冷まします。

 (焼成温度や焼成時間、温度の上げ方や下げ方、焼成後の冷まし方などの違いで、質感、色合い、釉薬の垂れ具合

 などが大きく異なってきます。)

 

6.作品を破損させる事無く上記工程を乗り越えることができたら、完成です。

  (作品が誕生する瞬間です。どんな結果であれ手間がかかった分、愛着も湧きます。

陶芸の工程
魔物のやる事はやっぱり邪道ですか・・・。
いきなりアンティーク
- IKINARI ANTIQUE -

 私が(表現方法としての)陶芸を好きな理由は「作りたてのくせに、いきなりアンティークのようなオーラ」が出てたりする、その点に尽きます。

夢中になって手作りできるなら別に何でもよかったのでしょうが、焼き物は完成時に雰囲気のサプライズなおまけが漏れなく付いてくる様なお得感があります。

 陶芸というと伝統や上品な味わいを重視した作品を創りつつ、粋な人格者としてストイックに生きる仙人(笑)みたいなイメージを持つ方も多いと思います。

職人の技しか認めない世界といいますか、私もいざやってみるまでは勝手な先入観でとっつきにくく感じていました。

ろくに無学なまま(※)、気ままに焼いた作品を陶芸と称するなんてそれだけで、軽く罪のような、誰かに軽く馬鹿にされそうな怖ささえありました。

(※ただし、粉塵や有毒物質、火傷や火災などから身を守るための最低限の安全に関する知識だけは別問題です。これだけは必ず先に準備しておきましょう。)

 

 しだいに私は気づきました。結局、私は安易に格好つけようとしてたから怖かったのです。

もちろん実際にストイックに努力を続けている人たちを格好つけていると言っているわけじゃないです。

世間一般の陶芸家のイメージに対して、こっそり自分も並んでいるように見せたい、なんとなく所属しているように見せたいという気持ちがどこかにあって、

さほど苦労もなくそれを後から追いついていってやろうとすることが大それた甘い考えだと自分でも薄々知っている、そんな抵抗感だったのです。

 

 師もなければ先祖代々の窯があるわけでもない、美大卒などの肩書きがあるわけでもないのに、なぜ?

もともと守ったり受け継いだりするようなものなんか私にはないのだから、むしろ格好良くなくてもいいという強みがあると発見したのです。

「没頭してただ楽しめばいいだけ。ドラマで俳優が演じるような『陶芸家っぽさ』をいつも気にして創り続けるなんて面白くもない事したいわけじゃあない。

会社員のように努力して所属しようとするものじゃなく、楽に孤独を選んでこそアート(※2)。自由気ままな遊び心にまかせて粘土細工感覚でやってみよう。」

魔が差したように、これまで自分で自分に懸けていた呪縛から忽然と開放されたかのように、ミニチュアの魔物を生み出すようになり、今に至ります。

(※2 こういう考え方こそ真の格好つけたがりなのですが。)

 まあ、いくら自由だからといっても、せっかくご覧いただいた方が嫌悪感を持つような作品を創りたいとは思いませんので、

かわいらしさのあるもの、小悪魔っぽいもの、全然魔物でも何でもないもの?、が中心になると思います。

魔界のおみやげ屋ならではの、魔にはちょっとした魔で対抗しましょうなんて発想で、

「あなたを魔もってくれる」魔除け(※3)としてお届けできる事があれば、この上ない喜びです。

(※3 さっきから言ってること自分に都合よすぎるんじゃないかな?

魔には魔を、の正当性?

魔に魅せられ自ら志すならば、

その者はより強大な魔と対峙するたびに狂っていく

クレイジーな運命を辿るであろう。

魔を頑なに拒絶し、

ただ逃れようとするのみならば、

その者は格好のターゲットとなり翻弄されるであろう。

ならば魔を以って・・・、適当に相手しちゃいましょう!!

天秤にかける
​葛藤を破壊する
- Destroy the Conflict -

​ハート原人劇場其の二 『メロンソーダで顔がメロンになっちゃった。』

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